「豊後富士」と称される由布岳の麓に広がる湯布院。観光地して全国的に有名ですが、迫ってくるような由布岳の緑や豊富な湯量の温泉など、とても自然豊かなのどかな場所です。そんな湯布院の個性をゆったりと楽しめる２軒をご紹介します。

観光客で賑わう金鱗湖の湖畔に佇む「山家料理 湯の岳庵」は、湯布院を代表する宿「亀の井別荘」に併設する食事処として50年以上前にオープンしました。御三家として名を馳せ、誰もが憧れる宿ですが、食事だけの利用もできるので名宿の雰囲気を楽しめると人気です。

大黒柱や太い梁などに立派な古材が用いられ、一から設計されたという建物は、10数年に一度張り替えるという茅葺き屋根など、昔懐かしい空気感を醸し出しています。店内はしっとりと落ち着いた造りで、大きな窓からは中庭の四季折々の景色を眺めることができます。

メニューには、大分県が誇るブランド牛「おおいた和牛」や「冠地どり」のほかに、鰻やすっぽん、鯉、ヤマメや若鮎などの文字も。美しい山々に囲まれた湯布院盆地で育った新鮮な野菜や季節の川魚料理など、旬の美味しさを提供します。その中でも年間3700〜4000食出るという一番人気が「炭火焼きビフテキ丼」です。

豊後牛の中でも４等級以上の証、おおいた和牛のロースと、県産和牛の赤身を選りすぐりの備長炭で焼き上げたビフテキ丼は炭の香りが高く、肉質の良さややわらかさをダイレクトに感じられます。肉だけで120gとボリュームもあり、県産しゃものガラスープや湯布院の朝採れ野菜のサラダ、県産赤玉の温泉卵と、脇を固める料理も県産尽くしで大満足間違いなしの逸品です。

ディナーでは炭火焼きのコースが人気で、お酒にぴったりな川魚料理や、「牛テールの煮込み」など20年前の人気メニューを復刻した料理といったメニューも豊富です。

湯布院の閑静な高台に位置する「ゆふいん泰葉」は、客室数19室の静かな隠れ宿です。お湯処湯布院において唯一、湯けむりが立ち昇る光景が見られるエリアにあり、全国的にも珍しい青い湯が湧き出ることで有名です。

青みがかったお湯は炭酸水素塩泉、ナトリウム-塩化物泉。地下500mから自噴する源泉は100℃近くあり、その湯を水で薄めることなく冷まして浴槽に注いでいます。噴出時は透明な温泉ですが、時間の経過や気象条件などにより青く変化するとか。

青色の原因であるメタケイ酸を多く含む湯は一般的に“美肌の湯”と呼ばれ、浸かるとヌルヌルとしたお湯が身体にまとわりつきます。とろみのあるやわらかな湯触りで保湿効果も高く、湯上がりの肌はツルツル、しっとりとしています。

そんな貴重な温泉を1/2に濃縮した青湯をロビーで販売しています。価格も1本300円と手頃で、保存料などを使用していない100%温泉水なので、化粧水代わりに顔だけでなく全身にたっぷりと使うことができます。

敷地の入り口には誰でも無料で利用できる足湯を設置しており、青湯の効能を気軽に試すことができます。タオルも用意されており、散策の疲れが癒せると観光客にも人気です。

山家料理 湯の岳庵

住所 由布市湯布院町川上2633-1
TEL 0977-84-2970
営業時間 11:00～21:00（LO）※ランチは15:00まで
定休日/不定

杜の湯 ゆふいん泰葉

住所 由布市湯布院町川上1270-48
TEL 0977-85-2226
営業時間 10:00～最終受付20:00 ※状況により早めに終了する場合あり
定休日/不定