今回は、生石の海沿いにある『CAFE＆DINING かもめのジョナサン』さんへ。

笑顔の素敵な店長の玉正さんに「空間と食の体験を大切にしている」という、こだわりと、食への想いを伺いました。

「来やすいけど特別」な店づくり

店名の由来はかの有名な小説から…ではなく、「オーナーが“〇〇の〇〇”みたいな店名が語呂がいいよね、と言うので、じゃあ“かもめのジョナサン”とか？と出したら、それがそのまま採用されました（笑）」と玉正さん。

しかし、実際にかもめが飛び交う姿も見られ、ロケーションにマッチした店名になりました。

店内は広々としており、席と席の間はゆったりと幅がとられています。ゆとりある空間づくりがオーナーさんのこだわりだそう。

そして変に凝りすぎて店の色を出さない、というのもこだわりのひとつ。清潔感のあるシンプルな作りで、誰もが気負わず入りやすい雰囲気を感じられます。

お客様の層は10代〜60代前後まで様々。家族連れやカップル、友達同士だけでなく、最近は男性のおひとり様も増えているそうです。

開放感のある大きな窓からは別府湾が一望でき、開放感があります。
夏にはなんとスナメリも来るんだとか！夕陽もすごくきれいなのですが、残念ながら現在は閉店後になるため、景色は玉正さんとスタッフさんだけのとっておき。

この場所は元々、再開発の際に取り壊しになる予定だった県の建物を、オーナーさんが奔走し、「この景色を残さないなんて！」と当時の県知事にプレゼンして、譲り受けたそうです。

「どんな料理を作っても、一番のスパイスはこの景色でしかない」というオーナーさんの声に、友人だった玉正さんが同調して『CAFE＆DINING かもめのジョナサン』はスタート。2019年で丸８年になりました。

フレンチがルーツのこだわりのランチメニュー

仔羊のローストは、粉茶でマリネした肩肉をじっくりと焼き上げた絶品です。羊肉独特の臭みはなく、溢れ出る肉汁は添えられた岩塩と合わせるだけでも極上のソースに。

お魚がメインのBランチは、サーモンのポアレ＆赤海老のグリル。ふっくらジューシーに焼き上げられたサーモンと、香ばしい赤海老に、添えられたカリフラワーべースのチーズソースは相性が抜群です！

ランチセットにはパンかライス、ドリンクの他に、キッシュ、ミニスープ、そしてたっぷりのサラダがつきます。かもめのジョナサンさんで提供している野菜は、毎朝県内や近郊の産地から直送される野菜をたっぷり使用しており、とっても新鮮です。

デザートはお隣の系列店『丸玉屋洋菓子店』さんのもの。濃厚な味わいのショコラタルトと、とろりと滑らかなチーズタルトのデザートプレートは、ひと口ごとに幸せが広がる甘さに、思わずため息が出るほどでした。

パティシエの東原さんは、和菓子から始まり様々なジャンルのスイーツを極めた実力派。ランチの後に立ち寄って、お土産に買って帰る方も多いそうです。

特別な“食の経験”を目指して

元々はしっかりとしたフレンチ料理を提供していたかもめのジョナサンさん。現在のカフェの形になるまでには、たくさんの試行錯誤と、玉正さんの食に対する強い思いがありました。

若いお客様は、初めて食べる食材が苦手だ思うとほとんど口をつけずに残してしまうそう。
「そういう時は自分の力量不足かなと思うんです。」と玉正さん。
しかし、残すこと自体は悪いことではないと言います。

「これ苦手だな〜と思って残しても、初めての食材を食べる、ということは将来的に10代20代の頃の体験として残ります。時間が経ってまた食べた時に、味の感じ方が変わって美味しいと思う、そんな体験をしてくれればいいなと思います。“食の経験”をしていって欲しいな、と。」

なるべくナイフやフォークを使いながら食事をする。そんな「ここで体験することは、少しだけ非日常的な、特別な体験であって欲しい。」という思いがあります。

まとめ

最近ではライブやナチュールワインのイベントも開催されているかもめのジョナサンさん。ゆったりした雰囲気の中、絶景を眺めながら、美味しいものを食べる。単なる外食ではなく、そのひとつひとつでほんのり贅沢な体験をしてみませんか。