人気アパレルとのコラボハウスをわが家流にアレンジ
- Vol.40
- 家族構成:ご夫婦+お子様2人
- FREAK’S HOUSE
移りゆく四季を感じれる住まいを。
河野「外構のプラニング・施工を手がけるK様とは、仕事もたくさんご一緒させてもらっています。お互い多くは語らずとも、やりたいこと・表現したいことは通じ合っているような関係だと僕は思っていて。今回、K様の住まいも、二人の新しい作品がまた一つ生まれたと喜びを感じています。」
K様「ベツダイさんのモデルハウスの見学に行ったのはちょうど1年くらい前です。リビングの明るい雰囲気や生活動線が気に入りました。見栄えのいいモデルハウスと違って、実際の暮らしがすごくイメージがしやすかった。50年以上続いている地元の企業だということも心強かったですね。家を建てた後もずっと頼りにできるのは嬉しいなと思いました」
河野「きっと外構イメージはK様の中にあるだろうと。「建物は河野さんに任せる」と言ってくれたので、基本的には僕の好きなように設計させてもらいました。お互い細かく口を出さなくてもきっといいものができると信じていました。」
K様「お願いしたのは日常生活の場所ではなく、湯布院に別荘を持ちたいという僕の夢でした。私の仕事は何時までという概念がありません。常に頭の中はデザインのことでいっぱい。平日は、なかなか気持ちが休まる時間がないので、週末に思いっきりリフレッシュできる時間・場所がほしいと思ったのがオファーのきっかけです。湯布院には仕事で訪れることが多かったのですが、訪れるたびにワクワクしていました。もともと田園風景が好きで、いつかはこんな場所で暮らしたいなぁと思っていました。湯布院の中でも金鱗湖周辺の観光地ではなく、緑が広がる里山の喧騒から離れた場所を選びました。」
河野「どんな土地か教えてもらったら、すごい傾斜のある土地で。さすがだと思いましたね(笑)住まいづくりは、お互いにアイディアを出しながら決めていきましたよね。テーマは“日常から離れるため”の空間。街中にあるような人工的な灯りをはじめ必要のないものは極力排除しました。そうすることで、秋の紅葉や冬の雪景色、春先の鮮やかな緑、美しい星空など、ここにしかないものをより一層感じることができるんです。」
ずっと佇んでいるような邸宅の深みを求めて。
K様「実は、私の想いとして「新しい家を建てた!」という感じにしたくなかったんです。もともとそこにずっとこの家が存在していたような自然な佇まいを求めました。」
河野「外壁のレンガは上海に100年前に建てられたフランス建築のものを取り寄せましたよね。あえて古資材を使っている部分もある。新築だけど、どこか“懐かしさや時の流れを感じるモノをうまく溶け込んだ”全く新しい家造りを意識しました。」
K様「基礎を掘り起こしたらゴロゴロと大きい石が出てきたのは驚きましたが、「それも使おう!」という話になって(笑)。庭先に配している石は、ここにあった石を並べただけなんです。だから、なおさら自然な感じが出ているのかもしれません。」
K様「住まいの空間として、私がこだわりたかったのは、どこにいても家族や友だちと顔を合わせることができるということ。できるだけ壁や扉を設けずにオープンにして、それぞれのフロアから会話ができるようにお願いしました。別荘を訪れる友だちからものすごく好評ですよ。」
K様「ビリヤード台やワインセラー、暖炉などを置きたいことも河野さんに相談しました。非日常性を演出したかったんです。普通の生活リズムから一旦離れて、のんびりしたり、遊んだりできるスペースが作りたかったんです。」
河野「K様は趣味で絵を描かれるので、窓から外を見ながら絵を描ける場所を設けました。2階で絵を描いていても、下のキッチンにいる奥さんとの会話が成り立ちますよ。一般的な住まいのように、プライベートスペース・パブリックスペースというくくりで考えず、家族や友だちとゆるやかにつながることができる空間作りを意識しました。」
豊かさや安らぎを演出するアイデアをカタチに。
河野「露天風呂も作りましたしね。最初は、「お風呂は作らずにシャワールームだけでいい」と言われていたんですよ。せっかく湯布院なのにと心配してたら、やっぱり露天風呂をって(笑)。露天風呂は窓の配置も工夫しました。何も気にせずにゆったりとお風呂を楽しんでほしいですから。」
K様「住まいのどこにいても、大きな窓から風景が楽しめる。まるで室内と一体化している感覚です。最初、家づくりを始めた段階では想像もしなかったことが、河野さんの手によってどんどん形になっていきました。さすがだと思いましたね。」
河野「土地探しからプラニング、デザインテイストまで、すべての工程にしっかりと時間をかけて進めていきましたよね。今の住宅業界のスピード感や、必要とされているものには逆行しているかもしれません、だからこそ、本当に心豊かに暮らすために「大切なもの」をカタチにした邸宅が生まれた気がします。」